ネッシーの心境

慣れない世界を必死に泳ぐ、息継ぎの記録

夢の先の夢をさがす

眠れない夜はいつも、ぐるぐると湧き出る思考とスマホの使用を天秤にかける。

スマホを寝る前に使うことがよろしくないことは重々承知なのだが、思考サーバー過剰運転が常な人間にとっては、むしろぼーっとしている方が頭が冴えていく。 だから気持ちが沈まないように、眠れない時間をなるべく楽しむことを選ぶ。

そんなある晩、YouTubeの謎のおすすめセンスにより目に飛び込んできたのが、3年前に放送された某オーディション番組だった。 同年代(最年少練習生が同い年)ということもあり、親近感に近い感情が生まれて、自分との共通項を探すようにして観始めた。

放送当時は私も彼らもまだ学生。懸命に夢を追う姿を見て、なんだか自分の高校時代を思い出した。

高校3年の頃、どうしてもエンジニアになりたかった。

本棚には大学受験と薬学の本ばかり。急な方向転換だった。ずっと積み上げてきた受験勉強と学部の予習が無駄になってしまうと、思ったこともあったし言われたこともある。でもどうでもよかった。自分にはプログラミングの道しかないと思っていた。

ジャンルは全く違うが、当時の自分には彼らのような覚悟と熱意がたしかにあった。最終回で夢を叶えた11人と、よく似た感情を通ったことがあるはずだった。

夢を叶えることはこんなにも素晴らしいことで、その軌跡の先に今だって立っている。 犠牲を厭わずにずっと目指してきた道で生きているというのに、何をうじうじ悩んでいるのだろう。過去の自分に申し訳ないし、なんだか恥ずかしくなった。

最終回放送後のインタビューで、未来を語る11人がとてもかっこよかった。高校時代や今の会社を目指していた頃の、自分が語っていた未来の展望もちょっと思い出した。

夢を具体化することは、漠然と思い描いていた大きな夢を叶えた人の特権かもしれない。叶えて終わりではなく、焦点をどんどん絞っていくだけだ。

そう気づけただけで、今やるべきことが少し見える。もう一度なにかに憧れたい。